無垢フローリングと布団

無垢フローリングをご採用頂くお客様で
ベッドではなく敷き布団で就寝される方から頂く質問に
無垢フローリングと布団の相性は良いのか?と
質問されるることがあります。

無垢フローリングに布団を敷いて寝ることは普通にできます。
お施主様は何を気になされているかというと敷布団に
カビが繁殖しないかという事を気にされている方がほとんどです。

1.無垢フローリングにカビが生える原因とは?

1-1原因① : 換気が不十分
カビが繁殖しやすい条件は以下となります。
・気温20~30度
・湿度70~80%
・ホコリや汚れなどの栄養分

6月から8月ころにかけて、湿度と気温が高く、
無垢フローリングに付着した埃(ホコリ)や汚れが
カビ菌の栄養分となり、カビが繁殖しやすい状況になりがちです。

風通しが悪く、掃除を怠っているお部屋の床面は
カビにとっては絶好の繁殖ポイントになります。

1-2原因② : 無垢フローリングが湿度を吸収する
無垢フローリングは、お部屋の湿気を吸放出する性質を持っています。
そのおかげで、無垢フローリングが施工されているお部屋は
ある程度の除湿効果が期待できます。

しかし、あまりにも湿度の高い状態が続くと、無垢フローリングが
吸収できる水分が飽和状態になり、湿度の吸放出性能が落ちてしまいます。
そうすると、湿気が溜まりすぎてカビが発生するという事になります。

1-3原因③ : 無垢フローリングの上に直接布団が敷いてある
無垢フローリングに直で布団を敷くと
湿気が溜まってカビが生えやすくなる傾向になります。

人間は、寝ている間にも汗をかきます。寝汗ですね。
寝汗は一晩にコップ一杯分(200ml)もかくと言われています。
その水分を布団が吸湿しているという事になるので
これを聞いただけでも少し心配ですね。

布団が吸収した寝汗が溜まり、敷布団の下の無垢フローリングが
その水分を吸い込んでしまう事により、無垢フローリングが
湿気っぽくなり、カビが生えやすい状態になってしまいます。

特に布団を長い間敷きっぱなしの場合は、布団を上げたら
敷布団裏面にカビがびっしりという状況も考えられます。

2.無垢フローリングのカビを予防する方法

2-1 風通しを良くして湿度を下げる
カビは70%以上の高い湿度を好むので、
お部屋に湿気がこもらないように工夫しましょう。
雨が降っていない日は窓を開け換気します。
窓を開けた状態でエアコンの送風機能、扇風機、サーキュレーターなど
を使うと効果的です。
マンションやアパートは特に湿気がこもりやすいので
こまめに換気を行うようにしましょう。

2-2 こまめに掃除をする
埃(ホコリ)や汚れはカビの栄養分となる為に
こまめに掃除を行いましょう。
無垢フローリングについては、無塗装やオイル塗装の表面は
静電気が発生しないので埃(ホコリ)は吸着しません。
しっかりと窓を開け放ってお掃除しましょう。

2-3 寝具のお手入れをこまめに
布団が吸収した寝汗によってカビが繁殖する場合がある為、
こまめに天日干しをしたり布団乾燥機を使用して
布団に湿気が溜まらないようにしましょう。
敷き布団も掛け布団も枕も同様です。

2-4 無垢フローリングと布団の間にすのこを敷く
無垢フローリングに直に布団を敷くと湿気がこもってしまいます。
無垢フローリングと布団の間にすのこを敷くことで隙間ができます。
空気層になるので湿気がこもり難くなり
カビの発生を大幅に抑えることができます。
万年床は絶対にやめましょう。
布団と無垢フローリングの間に湿気が溜まり
カビにとっては絶好の繁殖地帯になりえます。

2-5 毎日布団を上げる
カビを発生させないためには、カビが嫌がる環境を作る事です。
寝具(掛け布団、敷布団、シーツ、枕)から湿気を取り除き
しっかり乾燥させることです。

 

とはいえ無垢フローリングに布団を敷くメリットもあります。

3.無垢フローリングに布団を敷くメリット

3-1 ベッドに比べてスペースを取らない
布団はベッドと比べて省スペースです。
使い終わったらたたんで収納できます。
その分、お寝室を広く使うことができます。

3-2 落ちる心配が無いので安全
寝相が悪くてもベッドほどの高さから落ちるという事はありません。

3-3 お掃除が楽
ベッドですと、下面やヘッドレスト裏あたりに
どうしても埃(ホコリ)が溜まりなかなかきれいに掃除ができません。
布団は移動が簡単なので、お部屋の隅々まできれいに掃除ができます。

 

4.最後に
無垢フローリングに敷き布団を敷いて就寝する場合は
湿気が溜まらないように工夫する
天日に干すこと、または布団乾燥機を使用する
日々の掃除を怠らないこと

以上がポイントとなります。

 

 

 

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)