最近では、日本産の無垢フローリングを求めて海外からのお問合せが増えています。
日本国内の製材工場は、日本産の無垢フローリングが海外に通用するとの事で
喜んでもらっていますし私たちも嬉しい限りです。
しかし、一歩下がってじっくり見て考えてみるとなんとも複雑な感じもします。
日本では、国産木材が売れないのは安価な輸入木材が大量に輸入されているからだ!
と言う意見が非常に多く聞かれます。
(ちなみに私は、輸入木材の問題よりも日本人の生活習慣の変化が
木材の需要を減らしていると思います。)
現状、日本では国を挙げて国産木材の普及推進活動が盛んです。
国産の木材を計画的に使うことで森林活動を活発化させ二酸化炭素の吸収源にも
活用できると言う考えもあります。
とても分かりやすい方針なのですが、世界規模で考えると???となってしまうのは、
私だけなのでしょうか?
そもそも京都議定書で締結した国は150ヵ国以上あるのです。
ウッドマイルズ(木材運搬時に排出するCO2量)を考えても、
出所が分かり持続可能な森林の資源であれば良いのではないかと思うのです。
もちろん国産材が高くて国内で販売できないの価格の差もあるでしょう。
しかし、日本国内だけで国産材の販売を考えるのではなく、ロシアや北米の様に
世界に向けて自国の木材を発信する事も大切だと思います。
世界に向けて日本産の木材が販売できれば、どれだけ日本の森林は活発になる事でしょう。
安い木材が入ってくるからといって国産材が売れないと嘆いてばかりいるのではなく、
もっと日本の木材の価値を分かってくれる人に買ってもらえればいいと思います。
また、2012年には、京都議定書の第二約束期間が始まります。
残すところあと2年です。
ここで木材の役割はとてつもなく大きくなるかもしれません。
日本が世界でCO2問題でリードするには、京都議定書の第二約束期間が始まる前に
木材業界が一丸となってこの問題に真剣に取組まなければいけないと思います。
どうすれば国産材の利用価値を日本の皆様に認知してもらえれば良いのでしょう。
まずは日本が自国の国産木材を使ってモデルを作り上げ、世界中に自国の
森林や木材を使ったCO2削減のビジネスモデルを提案できれば最高ですね。
それも国民を巻き込んで実現できれば。世界を巻き込めれば。
夢のような話ですが、夢を実現できるように頑張ろうと思います。
こんな事が実現すれば当に材木屋冥利に尽きますよね。