桐は昔から桐箪笥や火鉢などに利用され、日本人が身近に親しんできた木です。
ほとんどの方が軽くて柔らかいというようなイメージを持っておられます。
桐は表面は柔らかくて傷つきやすいのですが、良い点もたくさんあるんですよ。
・軽い
桐材の比重は、国産樹種のなかでもっとも小さい。
ですから桐の箪笥は輸送手段の発達伸していない時代には
持ち運びに大変都合のよいものであったわけです。
この材の軽さはマンションなど階上でフローリング工事する際の搬入にも大変有利です。
・収縮率が少ない
乾燥した桐材はたいへん収縮率が少なく、抽斗(ひきだし)等を
ピッタリ隙間なくつくることができます。
このため桐の箪笥の内部は外気を遮断し温度や湿度の変化を受けにくくしています。
桐無垢フローリングも伸縮が少なく施工後の隙に対しては安心できます。
・熱伝導率が低い
乾燥してしまうと細胞の内部は乾いた空気に満たされるため、熱が伝わりにくく、
その為昔から火鉢等に使用されていました。
・恒湿作用が高い
木材が湿度変化に対応し、湿気を吸放出することで湿度の高低を緩和する能力ですが、
この恒湿作用は軟らかくて比重の軽い材ほど高いことが証明されています。
この為、桐材を内部造作材に使用すると過乾燥を防ぐ働きがあります。
・虫が付きにくい
桐の場合、乾燥した桐材には虫がつかないと言われています。
桐の抽出成分の中には昆虫を寄せ付けない成分(パウロニン、セサミン等)が
多量に見つかっていることがわかっています。
・腐食に強い
軽くて軟らかい桐材は、腐りやすいと考えられがちですが、
実は極めて腐りにくい木材です。
それは桐材に多量のタンニン(防腐力が大きい)が含まれるからです。
・音響性に優れる
桐材は多孔質で粘性に富むため、大変音響性に優れています。
古代より琴等の楽器に用いられています。
桐材はただ柔らかいだけではなく、良い点もたくさん持ち合わせています。
柔らかくクッション性に優れていますので、
子供部屋や腰や膝などに負担がかからないようにお年寄りのお部屋にも最適です。