剣道場床専用オイルは、その名の通り剣道場床専用に作った当社のオリジナルオイルです。

当社の剣道場床専用オイルは、中高大学校、各都道府県警察、個人道場などで評判を得ております。近年、全日本剣道選手権の天皇盃を授与された方の剣道場にも使用されています。年度末は、様々な方面から剣道場床専用オイルのお問い合わせをいただきます。あくまでも当社の剣道場床専用オイルは、全ての武道に最適なオイルとは言い切れません。それは、開発者が剣道家だからです。空手家でも居合道家でもありませんので、剣道以外の足捌きは門外漢となります。ましてや弓道など足袋を履いてする武道は全く分かりません。ご了承ください。

さて、剣道では「一眼二足三胆四力」と言われるように足捌きを非常に重視しております。また、これまで剣士によって様々な工夫が施された剣道場床は少し特殊な作りを持ち合わせており、弾力性や素足での滑りにかなり注目されます。

そのなかでも剣士の足裏の感覚は非常に繊細であり、足指で床を掴んだり、湧泉と言われるツボを吸盤のように使ったり、歩み足、送り足、継ぎ足、開き足などの摺り足を多用することから床表面の滑りにはかなり気を使われる方が多いです。

少し前までは、数値化することが難しいとされていた滑りの感覚ですが防滑性能試験(C.S.R値)として数値化は可能です。

体育館などで、C.S.R値は滑りの基準値とされよく使用されております。

 

しかし、この数値は体育館で体育館シューズを利用してスポーツを行った際の最適値を表したものになります。
おおよそどのスポーツも体育館シューズを履いた状態でC.S.R値=0.7が最適値となっています。

剣道は素足で行う武道です。

例えば、バスケットボールコートの表面塗装は、体育館シューズの滑り止めも兼ねており、運動する度に”キュッキュッ”とシューズが床と擦れた高い音が響くのは想像がつくかと思います。あれがC.S.R値=0.7位です。あのような滑り止めの上で素足で剣士が摺り足を行うことは非常に危険です。新しい体育館やリニューアル直後の体育館の床は、かなり滑り止めが効いており、剣士は感覚的に肉離れ、アキレス腱痛、足裏のマメ等への予防対応を余儀なくされることになります。

そもそも、このC.S.R値のデータを素足で使用する剣道場床に当てはめることがナンセンスです。よくわかりませんが、木製フロアーに何かを塗布した場合に、C.S.R値が、無塗装0.76 が 塗装0.69 に変化したという事であれば、無塗装よりも塗装した方が“より滑る”という事になります。
滑りやすいとされる床に、何らかの塗料を塗布することで、より滑りやすくして剣士に何がプラスになるのか分かりません。数値を読めば理解できると思いますが気を付けなければいけません。

当たり前ですが、剣道場床をC.S.R値で比較するのであればC.S.R’-B値(素足での値)などを用いるべきです。上記のC.S.R値とは異なるので注意してください。

 

京都市武道センター旧武徳殿の床表面のC.S.R’-B値は0.72
当社の施工する剣道場の標準仕様である杉無垢カンナ仕上げのC.S.R’-B値も0.72
各学校や体育館の剣道場床で使用されている集成材に当社の剣道場床専用オイルを塗布した場合のC.S.R’-B値も0.72です。
もちろん第三者機関で測定した数値です。

体育館の滑り止めの効いた床に改善した場所で剣道をする方が良いのか?
旧武徳殿の床のような、剣士に評判の良い剣道場床で稽古をするのが良いのか?
どちらが良いと思いますか?剣士の方なら当然お分かりかと思います。

当社の剣道場床専用オイルは、全ての武道に最適な魔法の塗料という訳ではございません。

当社の剣道場床専用オイルは、ミネラルスピリット不使用です。灯油臭くありません。なぜ、私たちがシンナーや灯油が含まれていない剣道場床専用オイルを開発したのか? もし、今後学生たちがメンテナンスなどを行う場合のことも考えてのことです。

それぞれの数値や成分をよく理解して剣道場床のメンテナンスに当たられるようにお願いできればと思います。