無垢フローリングのデメリット きっと後悔する無垢フローリング それでもあなたは採用されますか?

無垢フローリングのデメリット欠点

家づくりや住宅を建てる計画で内装材の床、壁、天井を検討する際に今どきよく聞くのが無垢フローリングや漆喰などの自然素材・天然素材です。

私も自宅では、漆喰の塗り壁や無垢フローリングを使って生活しています。一部塗り壁は、珪藻土も採用しています。
自然素材・天然素材を多用することで、お家の中の空気感も違ってくると思っております。

今回は、無垢フローリングで30年以上生活してのデメリットとメリットをご紹介いたします。

なにも知識無く、ただ単に本物の自然素材・天然素材である無垢フローリングの床で快適に毎日が過ごせると憧れてはいけません。素適なマイホームを建てる前に、家づくりについてしっかり勉強しておかないと必ず後悔する事になります。

無垢フローリングとはいうものの、広葉樹や針葉樹、幅が広いものや狭いもの、環孔材や散孔材、色濃いものと明るいもの、分厚いものや薄いもの、1枚物や乱尺やUNIタイプ、価格も安いものから高いものまで様々なラインアップがございます。
一般的には、広葉樹が硬くて針葉樹が柔らかいと言われているものの、広葉樹の桐は柔らかいし、針葉樹のラーチは硬いと言われていたり、そもそも環孔材と散孔材の意味が分からない… 木目にも影響するのか?耐水性の高い気を選ぶべきなのか?等々… 本当に自分で後悔せずに満足のゆく無垢フローリングを選べるのかなぁ?自然素材・天然素材って難しい…

それでもあなたは無垢フローリングを採用されますか?

無垢フローリングのデメリット欠点
無垢フローリングのデメリット欠点

後悔しないための無垢フローリングのデメリット

目次:
1.無垢は価格・コストが高い
2.無垢材はの同じ木は存在しないので品質が一定でない
3.無垢はメンテナンスやお手入れが大変
4.無垢材は冬、乾燥時期に隙間が空く
5.無垢材は傷が付きやすい
6.無垢材は割れる
7.無垢材は反る、反りなどの変形がひどい
8.無垢は水に弱い
9.無垢はヤニが出る
10.無垢材は床鳴りがする
11.無垢は臭い
12.無垢は変色する
13.無垢はこたつや電気カーペットが使えない
14.無垢は水こぼしや食べこぼしが気になる
15.塗装が剥がれる
16.表面にホコリが付着する
17.無垢は思ったより結構冷たい
18.無垢はマンションには採用し難い

巷で言われる無垢フローリングのデメリット、後悔、不満もよく似たようなことが言われているかと思います。その裏返しでもある、メリットや満足度の高い話も後述します。

それでは、後悔する前、素敵なマイホームを建てる前に1つずつ考えておきましょう。

まず先に答えを知りたい方⇓

1-1.無垢は価格・コストが高い
何と比べて高かったのかという話にもなりますが、実際に銘木級の高価な無垢フローリングは存在します。
また、これも何に比べて?という事になりますが大工の施工費が高価だとも言われたりしますので、価格・コストが高いという事は言えるでしょう。

2-1.無垢材は同じ木は存在しないので品質が一定でない
無垢フローリングは、単一木材からできています。自然素材・天然素材の生物であり人間と比べると小さな動きが有ります。生物の中の人間の中の日本人でも性格が異なる人がたくさんいるように、同じ木でも色んな性格、性質の木が存在します。針葉樹、広葉樹でも異なりますし、環孔材と散孔材でも異なります。パイン、オーク、ウォールナット、ヒノキでもそれぞれの特徴があります。木目の風合い、表情、肌触り、質感、温かみも一定ではないでしょう。同じ丸太でも末と元では幅や表情までも異なります。
同じ木は存在しないので品質が一定でないと言えますね。合板フロアなどの規格製品と同じような気でいたらきっと後悔します。

3-1.無垢はメンテナンスやお手入れが大変
何と比べて?ということになります。
最近一番多く出荷する無垢フローリングの仕上げは無垢材の質感を最大限に引き出せるオイル塗装です。他にもカンナ仕上げやウレタン塗装仕上げや液体ガラス塗装など様々です。大変かどうかはお施主さんそれぞれだと思うのですが、何れにせよメンテナンスは必要です。
お施主さんの生活スタイルに無垢フローリングが合っているのかどうか?メンテナンスの頻度や方法が合わないと後悔します。

4-1.無垢材は冬、乾燥時期に隙間が空く
経年変化の一つになります。木材の細胞壁は水分を吸収すると膨張し、放出すると収縮します。冬、乾燥時期は湿度(湿気)が低いので水分は放出します。フローリングの幅方向に縮みますので隙間ができます。その溝には髪の毛や埃などのゴミがはさまる可能性もあります。
乾燥時期に幅方向に動きが有るという事を知っておかないと後悔します。

5-1.無垢材は傷が付きやすい
こちらも経年変化の一つになります。これも何と比べてという事になりますが、確かに杉や桧(ヒノキ)やパインなど柔らかい樹種は傷が付きやすいと言えるでしょう。
一般的には、広葉樹は英語でHard woodと言われる様に硬い樹種が多く針葉樹は、Soft woodと言われる様に柔らかい樹種が多いと言われています。
広葉樹、針葉樹の代表的な樹種としては以下のような樹種です。
広葉樹 : メープル、ウォールナット、チーク、オーク、バーチ、サクラ
針葉樹 : ヒノキ、パイン、杉、カラマツ
必ずしも広葉樹が硬く針葉樹が軟らかいとは言えませんのでご注意ください。広葉樹が硬くて針葉樹が軟らかいと言ったような浅はかな知識で無垢フローリングを選ぶと後悔します。
どんな無垢フローリングでも歳月を重ねると経年で傷は付きます。程度をよく理解しておかないと後悔します。
傷で一番よく相談されるのは引越し屋さんが付ける傷です。引越し屋さんにも引っ越す先の床までしっかりお伝えしましょう。

6-1.無垢材は割れる
フローリングが水分(湿気)を含み、その後乾燥した環境にさらされると、一枚の材の内部で異常収縮が発生します。これにより材に割れ目(クラック)が入る場合があります。こちらも経年変化の一つになります。
また、 日光の直射をはじめとする様々な室内環境要因により、これと同様の現象が生じる場合があります。
木は割れる事を理解しておかないと後悔します。
マイホームを建てる前に、どれくらい割れるものなのか理解しておきましょう。

7-1.無垢材は反る、反りなどの変形がひどい
木材の細胞壁は水分(湿気)を吸収すると膨張し、放出すると収縮します。こちらも経年変化の一つになります。このため、室内の湿度(湿気)状況によっては、伸縮も大きくなり、
反りなどがおきる場合があります。無垢材の木の板は反る事を知っておかないと後悔します。
ビックリするくらい反る場合もあるので知っておきましょう。

8-1.無垢は水に弱い
無垢材は水や湿気や湿度に弱いと言われてます。
後悔する前に知っておきましょう。

9-1.無垢はヤニが出る
桧(ヒノキ)や松や唐松などからはベタベタしたヤニが出てきます。数年間もの間、湧き出てくることもあります。こちらも経年変化の一つと言えるでしょう。
ヤニで後悔する前にヤニが出やすい樹種を調べておきましょう。

10-1.無垢材は床鳴りがする
歩いてみるとキコキコと床からきしむ音がすることが有ります。こちらも経年変化の一つですね。
お寺などでわざと大工が工夫を凝らした鴬張りなどでない限り気になりますね。
嫌な床鳴りがして後悔する前に原因を知っておきましょう。

11-1.無垢は臭い
ドリアンなど臭いが強い果物がある様に人によっては嫌な臭いの木材もあります。
臭いで後悔する前にお施主さんの好みがあるので確認しましょう。

12-1.無垢は変色する
結構、経年で色が変わります。こちらも経年変化の一つですね。最終的には、どんな木でも白くなりたがります。お寺の山門やウッドデッキなどで見られるシルバーグレー色になりたがります。それまでの経年で変色で、濃くなったり薄くなったりとか…木と人間の生存期間の違いが有ったりするので
一概には言えませんが確実に経年で変色します。思っていた色合いと随分違った…と後悔する前に経年変化の色合いを確かめましょう。

13-1.無垢はこたつや電気カーペットなどの暖房機器・暖房器具が使えない
寒い冬は、ストーブ、こたつ、電気ホットカーペット、蓄熱ヒーター、エアコン等暖房機器・暖房器具を使いたいですね。
木材は、空気中の水分を吸収したり放出したりする性質を持っています。木材の細胞壁は水分を吸収すると膨張し、放出すると収縮します。
このため、室内の湿度状況によっては、伸縮も大きくなり、反り・目地の透き・突上げなどがおきる場合があります。
使用できる家電暖房機器・器具・製品と仕様できない家電暖房機器・器具・製品があります。
購入後、使えなかった…と後悔する前に調べましょう。

14-1.無垢は水こぼしや食べこぼしが気になる
食べ物を落としたり、こぼしたりしたら気になりますね。
食べこぼしで後悔しそうなら事前に何をこぼしたらどうなってしまうのか?どんな無垢フローリングにこぼしたらどうなるのか?どの様に掃除しなくてはいけないのか?
建てる前に調べておきましょう。

15-1.無垢は塗装が剥がれる
確かに剥がれる塗装もあるので部分的に剥がれるとチープな感じを受けますね。こちらも経年変化の一つですね。
塗装で後悔しそうなら、塗料その物の耐久性も含めて検討しましょう。着色塗装は、歳月を経て悲惨な状況になる場合もあるので
しっかりと工務店や大工さんと相談しましょう。

16-1.表面にホコリが付着する
確かに表面にホコリが付着する無垢フローリングもあります。フローリングが色合いが黒っぽい色ならホコリが目立ち不潔ですね。
床面の清潔感で後悔しそうなら事前にしっかり調べてましょう。

17-1.無垢は思ったより結構冷たい
夏場はサラサラとし、冬場は暖かいはずの無垢フローリングです。
しかし、夏場はペタペタ、冬場は裸足や素足で触れると確かにヒヤッと冷たく感じる無垢フローリングもあります。木材は、タイルやコンクリートに比べて熱伝導が低いと言われています。木材はコンクリートと比べると熱伝導率は10分の1程度です。熱いお味噌汁を木のお椀に注いでも手に持てるぐらいです。温かく感じるはずの無垢フローリングがどうして冷たい?
後悔する前に自身の裸足や素足で踏んで確かめてから採用した方が良いかもしれません。カットサンプルでは物足りないかもしれません。

18-1.無垢はマンションには採用し難い
それぞれのマンションの管理規約には防音規定(遮音等級LL-45・ΔLL(Ⅱ)-3・ΔLL(Ⅰ)-4)などが定められていることがほとんどです。
一般的に遮音性能を持ち合わせていない無垢フローリングはマンションの床材に採用し難いと言われています。無機質になりがちなマンションの内装を温かみのある部屋に木質化したい。遮音等級LL-45・ΔLL(Ⅱ)-3・ΔLL(Ⅰ)-4を持ち合わせた防音クッション付の無垢フローリングはございます。
知らずに後悔する前に、マンションにも無垢フローリングが使えるかどうか調べておきましょう。

すぐに思いつくだけで18個もありました。
こんなにデメリットが有ると言われているのに
どうして無垢フローリングは無くならないんだろうか?
どうして販売中止にならないのでしょう。

 

1-2.無垢は価格・コストが高い
何と比べて高かったのかという話にもなりますが、実際に銘木級の高価な無垢フローリングは存在します。
また、これも何に比べて?という事になりますが大工の施工費が高価だとも言われたりしますので、価格・コストが高いという事は言えるでしょう。

例えば、合板フロアと比較してみましょう。
面積のもよりますが注文住宅で使用する合板フロアの価格は4,000円/平米くらい。施工費は、2,500円/平米くらいだとします。

無垢フローリングの価格は、3,000~60,000円/平米施工費は、5000円/平米くらいだとします。

 

床材の材料費の目安

どう考えても合板フロアの方が安くつきます。
しかし、検討中の場所であと何年くらい生活したいのか、どれくらい永く住み継がれていく住宅にしたいのかで選ぶ床材がずいぶん変わってくるかと思います。

合板フロアは、表面の塗装が持つのはせいぜい10年くらい。無垢フローリングは、オイル塗装やカンナ仕上げならその何倍もの期間を綺麗に清潔に過ごすことが可能です。

樹種によっても価格に開きがありますが、一概にどの樹種だから高価だとは言い切れません。例えばウォールナットと松(パイン)だったらどちらが高いと思われますか?実は、ウォールナットよりも高価な松(パイン)のありますし、松(パイン)よりも安いウォールナットもあります。
もし、比較するののであれば同じサイズで同じ等級という事になります。しかし、比較ができない場合もあるんです。例えば針葉樹の松(パイン)は、材長が長いものはウォールナットよりも製材しやすいでしょう。でも、ウォールナットでも松(パイン)と同等の材長が長い材が製材できたとすれば物凄く高価なウォールナットになりますね。松(パイン)でもウォールナットでも650mm以上の幅の広い板が製材できればどちらとも高価にはなるでしょう。あとは希少性の高いものが高価になりますが、幅で行くとウォールナットよりも松(パイン)の方が高価になることもあり得ます。難しいですよね。とにかく樹種の名前だけでどちらが高いかは言えないという事なんです。希少価値が高い木材を銘木と言います。

詳しくは「無垢フローリングの費用について考える」をご参照ください。

 

2-2.無垢材は同じ木は存在しないので品質が一定でない
無垢フローリングは、単一木材からできています。自然素材・天然素材の生物であり人間と比べると小さな動きが有ります。生物の中の人間の中の日本人でも性格が異なる人がたくさんいるように、同じ木でも色んな性格、性質の木が存在します。針葉樹、広葉樹でも異なりますし、環孔材と散孔材でも異なります。パイン、オーク、ウォールナット、ヒノキでもそれぞれの特徴があります。木目の風合い、表情、肌触り、質感、温かみも一定ではないでしょう。同じ丸太でも末と元では幅や表情までも異なります。
同じ木は存在しないので品質が一定でないと言えますね。合板フロアなどの規格製品と同じような気でいたらきっと後悔します。

どこまで求めるかにもよりますが、本当に品質は一定に安定しないと思います。
同じ日に同じ場所で伐採した丸太を同じ機械で加工できません。加工場に同じ日に切り出した丸太を揃える事ですらなかなか難しいです。
そもそも多少なりとも丸太の樹齢は違うでしょう。元々原料の丸太の木質も一定ではない。そのような原料という事もあり同じように加工した同じ樹種名の無垢フローリングでも色味の違い、節の有無や大小、木目の入り方など全く同じものは存在しませんね。
これは挽き板複合フローリングにも言えると思います。まぁまぁのところで妥協して頂くしかないのですが、カットサンプルで比較するよりも1ケース(1畳分)くらい広げて比較した方が無難だと思います。

均一で同じ木目の物を作るとしたら、印刷には敵いません。それを求めるのであればですが…

 

無垢フローリングは品質が一定でない
無垢フローリングは品質が一定でない

また、細かくして数多く混ぜれば混ぜるだけ安定はします。ソーセージやかまぼこなどの食品と同じようなことが言えます。木材を薄くしてボンドで何層も接着したり木の粉と接着剤を混ぜて合板フロアの基盤に使用します。木なのかボンドの塊りなのかよく分かりません。

複合合板フロアーの断面
複合合板フロアーの断面

 

合板フロアーの断面
合板フロアーの断面

動きが有るものを止めようとすると不具合が出ます。ある程度の動きが有るので調湿効果も期待できます。お施主様によっては、少しおおらかな気持ちで自然素材・天然素材と付き合わないといけないのかもしれません。

 

 

3-2.無垢はメンテナンスやお手入れが大変
何と比べて?ということになります。
最近一番多く出荷する無垢フローリングの仕上げは無垢材の質感を最大限に引き出せるオイル塗装です。他にもカンナ仕上げやウレタン塗装仕上げ液体ガラス塗装など様々です。大変かどうかはお施主さんそれぞれだと思うのですが、何れにせよメンテナンスは必要です。
お施主さんの生活スタイルに無垢フローリングが合っているのかどうか?メンテナンスの頻度や方法が合わないと後悔します。

メンテナンスが好きなお施主さんは大変ではない。車やバイク、カバンや靴などのメンテナンスが好きな人は苦だとは思わない。またハウスキーパーさんにしてもらう方もそれほど大変だとは思わないだろう。どんなものを使ってもメンテナンスが嫌いな人は大変。好きな人はそうでもない。磨いて艶を楽しめるような人だと大変だとは思わないはず。

あと、一気に家中の床を磨こうとするお施主さんも向いてないかも・・・寝れない夜にチビチビと部分部分をワックスかけしましょう。綺麗に長持ちさせるにはメンテナンスは必須です。

無垢フローリングの掃除の知識が無く掃除を始めるのは非常に危険です。

オイル塗装やワックス塗装を乾拭きするならまだしも水拭きする際に気をつけないと毛羽立ちの原因にもなります。

最近では、各オイル塗料メーカーや蜜蝋ワックスメーカーから水で薄めるタイプのクリーナーも販売されていますがクリーナーの濃さで間違った使い方をされるケースもあるようです。これも毛羽立ちの要因になりますのでよくよく試してから使うようにしましょう。

※参照 : 無垢フローリングのメンテナンス 

 

4-2.無垢材は冬、乾燥時期に隙間が空く
経年変化の一つになります。木材の細胞壁は水分を吸収すると膨張し、放出すると収縮します。冬、乾燥時期は湿度(湿気)が低いので水分は放出します。フローリングの幅方向に縮みますので隙間ができます。その溝には髪の毛や埃などのゴミがはさまる可能性もあります。
乾燥時期に幅方向に動きが有るという事を知っておかないと後悔します。

無垢フローリングの隙間 溝
無垢フローリングの隙間 溝
無垢フローリングの隙間 溝
無垢フローリングの隙間 溝

10年ほど使用している桧(ヒノキ)の幅広フローリングです。1枚の板幅は20センチあります。

隙間の大きさを計ると2ミリほど隙間ができています。ゴミも入るほどの隙間です。

ウレタン塗装を施さなければ、ホコリやゴミは吸付きません。掃除機やホウキで綺麗にお掃除できます。

ウレタン塗装では、ゴミや埃は塗装にくっつきますので溝にしっかり挟まります。爪楊枝や歯ブラシなどを駆使してゴミをかきだすことになります。

この隙間は、梅雨時期や夏など湿気の多い時期になると狭まります。木が湿気を吸って膨張するからです。その時期に、再度撮影してみたいと思います。

隙間が気になる方は、フローリング幅が狭いものをお選びください。例えば、上記の20センチの檜フローリングと同じ仕様で幅が10センチの檜フローリングが有ったとします。そのフローリングを同じ条件で使用していたとしたらフローリング同士の隙間は1ミリだったと想定されます。10センチの隙間1ミリx2枚=2ミリなので隙間の総幅としてはあまり変わりはございません。

詳しくは「無垢フローリングの収縮率」をご参照ください。

 

5-2.無垢材は傷が付きやすい
こちらも経年変化の一つになります。これも何と比べてという事になりますが、確かに杉や桧(ヒノキ)やパインなど柔らかい樹種は傷が付きやすいと言えるでしょう。
一般的には、広葉樹は英語でHard woodと言われる様に硬い樹種が多く針葉樹は、Soft woodと言われる様に柔らかい樹種が多いと言われています。
広葉樹、針葉樹の代表的な樹種としては以下のような樹種です。
広葉樹 : メープル、ウォールナット、チーク、オーク、バーチ、サクラ
針葉樹 : ヒノキ、パイン、杉、カラマツ
必ずしも広葉樹が硬く針葉樹が軟らかいとは言えませんのでご注意ください。広葉樹が硬くて針葉樹が軟らかいと言ったような浅はかな知識で無垢フローリングを選ぶと後悔します。
どんな無垢フローリングでも歳月を重ねると経年で傷は付きます。程度をよく理解しておかないと後悔します。
傷で一番よく相談されるのは引越し屋さんが付ける傷です。引越し屋さんにも引っ越す先の床までしっかりお伝えしましょう。

傷が付きやすいのが分かっているのであれば節や色むらがたくさん入っているものを使用してみてはいかがでしょうか?

桧(ヒノキ)フローリング・節有
桧(ヒノキ)フローリング・節有

傷をつけるであろう住人はきっと子供たちの場合が多いと思います。特に子供部屋やベッドルームには、桧(ヒノキ)フローリングの節有が気楽でいいです。傷が着こうが凹もうが気が付きませんし、裸足や素足での足触り、肌触りや香りの質感は節が有っても無くても変わりません。
また、節が有るという事で価格は非常に安価です。建てる間取りにもよりますでしょうが、適材適所でお選びいただければメリットにもなるかと思います。

あと、無垢フローリング表面は経年で摩耗します。
歳月を重ね表面が摩耗すると年輪に沿って凹凸が現れます。これも無垢フローリングにおける経年変化ということが言えます。味わい深い風合いを感じることもできます。

無垢フローリングの摩耗
無垢フローリングの摩耗
無垢フローリングの摩耗

軽くて柔らかい樹種の方が摩耗しやすいと言えます。スギフローリングでも70年間もの歳月、剣道場で使ってもこの程度の摩耗です。ウレタン塗装が経年で剥がれてみすぼらしくなるよりはよほど風合いがあります。

樹種ごとの硬さの確認は「木材性質一覧表」でご確認いただけます。

凹み傷の補修方法は以下のYouTube動画でご確認いただけます。

無垢フローリングのデメリット きっと後悔する無垢フローリング それでもあなたは採用されますか? - 無垢フローリング木魂のブログ_ - www.muku-flooring.jp
お手入れ 凹みを補修してみる YouTube

 

6-2.無垢材は割れる
フローリングが水分(湿気)を含み、その後乾燥した環境にさらされると、一枚の材の内部で異常収縮が発生します。これにより材に割れ目(クラック)が入る場合があります。こちらも経年変化の一つになります。
また、 日光の直射をはじめとする様々な室内環境要因により、これと同様の現象が生じる場合があります。
木は割れる事を理解しておかないと後悔します。
マイホームを建てる前に、どれくらい割れるものなのか理解しておきましょう。

割れちゃいますね。
このままどんどん割れが広がってきて、下地が見えてしまうのではないか?と心配しなくても大丈夫です。

無垢フローリングの割れ ひび割れ
無垢フローリングの割れ ひび割れ
無垢フローリングの割れ ひび割れ
無垢フローリングの割れ ひび割れ

 

隣り合う無垢フローリングが固定されていればひび割れが広がるほどに詰まっていくので表面の割れはそれほど大きくなりません。施工要領書通りに施工していれば、ひび割れから下地が見えるくらい割れが広がることはありません。よくよく虫眼鏡などでマイホームの無垢フローリングを見てみると必ずひび割れ程度は見つかると思います。
生活に影響しない範囲であれば小さなひび割れはおおらかな気持ちで見てください。

無垢フローリングの割れは広がらない
無垢フローリングの割れは広がらない

 

 

7-2.無垢材は反る、反りなどの変形がひどい
木材の細胞壁は水分(湿気)を吸収すると膨張し、放出すると収縮します。こちらも経年変化の一つになります。このため、室内の湿度(湿気)状況によっては、伸縮も大きくなり、
反りなどがおきる場合があります。無垢材の木の板は反る事を知っておかないと後悔します。
ビックリするくらい反る場合もあるので知っておきましょう。

確かに反ります。変形します。
曲りに対して板面に湾曲を生じる事を反りと言います。この反りは、無垢フローリング施工の際に押さえつけて施工しますので貼りあがりは全く気が付かなくなります。

無垢フローリングカップ反り
無垢フローリングカップ反り

もう一つ反りが有って、カップといわれる幅反りの変形です。幅に対してUの字を描くように反り(変形)ます。画像では、差し金やテーブルとの接地面を見ていただければUの字に反っている(変形)のが確認できます。

施工してからも多少はカップになります。施工要領書通りに施工すれば、カップもさほど気になり反り(変形)ではありません。合板フロアや挽き板フローリングなどはほとんどカップにならないためにとても平滑な床に仕上がります。無垢フローリングのカップもなるべく幅の狭い物を選ぶと防げます。
ある程度、カップ反り(変形)になる事は無垢フローリングの存在感を感じられます。

 

8-2.無垢は水に弱い
無垢材は水や湿気や湿度に弱いと言われてます。
後悔する前に知っておきましょう。

ここでは、腐るのではないか?という点で考えます。何か液体を“こぼす”は、14-2をご参照ください。

木を腐らせる原因は腐朽菌という細菌。この細菌は①温度、②酸素、③水分、④栄養分の4条件がそろってはじめて繁殖します。
逆を言えば、これら4条件のうち、どれかが不足すれば腐らないということになります。人が住む以上、①温度と②酸素を取り除くことはできません。④栄養分は、木自体なのでこれも取り除く事はできません。木を腐らせないようにするには、③水分をいかに考えるかが必要となります。
これら4条件の中で、③水分を抑制することが一番簡単にできる方法といえます。しっかりと換気さえすれば木が腐るということはありえません。表面に水滴が掛かって気が付かないで放置するくらいでは木は腐りません。

絞った雑巾での水拭きは全く大丈夫です。下の画像は70年使用した無垢フローリングを水拭きし汚れを落としました。

無垢フローリングの汚れ 水拭き

黒いのはほぼ汚れです。反対側の板は洗剤も使用せずにただの水拭きしただけです。程度にもよりますが水拭きだけでもかなり汚れが落ちきれいになります。日々雑巾掛けを続けるとピカッと光り廻りの風景が映り込むことにもなりますが、なかなかそこまで磨き上げるのは大変です。たまに蜜蝋ワックスなどで手入れするのが無難です。

桧風呂、枡、桶、たらい、お椀など身の回りにはたくさん耐水性の高い木製品が有ります。木材が水を使用してお掃除したくらいですぐに使えなくなる事は無いと思ってください。

詳しくは「無垢フローリングのお手入れ方法」をご参照ください。

 

 

9-2.無垢はヤニが出る
桧(ヒノキ)や松や唐松などからはベタベタしたヤニが出てきます。数年間もの間、湧き出てくることもあります。こちらも経年変化の一つと言えるでしょう。
ヤニで後悔する前にヤニが出やすい樹種を調べておきましょう。

小さい水滴のような物がヤニです。ちなみにこの無垢フローリングの樹種は唐松です。

無垢フローリングのヤニ
無垢フローリングのヤニ
無垢フローリングのヤニ
無垢フローリングのヤニ

住宅内で生活しているうちにヤニは伸ばされて気になる事はあまりありませんが、家具を移動した際など日々裸足や素足で踏んでいない箇所は水滴の様にヤニが湧き出ている場合もあります。

生活の中で自然と踏んだり乾拭きしてヤニを伸ばすことで飴色になります。素適な味わいのある色合い、艶、風合いが出るとも言われています。
自然素材・天然素材が与えてくれるメリットの一つでもあります。気になるようであればヤニクリーナーなどで拭き取りましょう。

脂(ヤニ)が気になるお施主様は、マイホームを建てる前の計画中にどの樹種がヤニが出やすいのかしっかり調べておきましょう。

 

10-2.無垢材は床鳴りがする
歩いてみるとキコキコと床からきしむ音がすることが有ります。こちらも経年変化の一つですね。
お寺などでわざと大工が工夫を凝らした鴬張りなどでない限り気になりますね。
嫌な床鳴りがして後悔する前に原因を知っておきましょう。

最近では、あまり聞かなくなりました。
以前は住宅のほとんどの床下構造が根太工法だったので、経年変化により根太が痩せて空間(隙間)ができキコキコときしむ音がする事が有りました。

最近は、無垢フローリングの施工下地は、捨て貼り合板方式がほとんどで無垢フローリングはしっかり下地に固定されてるので音がなる様なことはめったにありません。鴬張のキコキコ音も木材の痩せや金物の傷みにからきたたまたまの産物ではないかと思う今日この頃です。

床鳴りの原因としては、床構造が根太工法で根太材が古くなり痩せて隙間ができる。その隙間ができた個所を人が踏むことで木がこすれたり釘が木とこすれてきしむ音が出たりすることが有ります。

フローリング端部で木がこすれてきしみ音が出る場合と釘が木とこすれてきしむ音とでは対処が異なります。何れにせよしっかりと固定されて動かなければきしむ音はしない訳ですが、フローリング同士がこすれて出る音は“床鳴り止まるんです”という製品を注入する事で止まる場合が有ります。根本的な原因解決という訳ではなく対処療法です。

他にもフローリング両端の凹凸箇所にカッターで隙間を作ってこすれる音を解消すると言う方法もありますがこちらもその場しのぎになります。

釘と木がこすれる音は結構高い音がすることが多いです。いまは釘はほとんど使わずにビスで木材を固定する事が多いですね。釘が緩んでいるようでしたら、何らかの方法で床材をしっかり固定します。

今では、根太工法はほとんど見かけませんが、施工要領書に則って正しく施工すれば床鳴りはほとんど起こらないと考えていいでしょう。

 

11-2.無垢は臭い
ドリアンなど臭いが強い果物がある様に人によっては嫌な臭いの木材もあります。
臭いで後悔する前にお施主さんの好みがあるので確認しましょう。

臭いが嫌で新築1件分の無垢フローリングを貼り換えて方がいらっしゃいます。
自然素材・天然素材の香りと臭いは紙一重です。臭いは、欠点と言えるかもしれません。鼻が利く方は、しっかりと聞香確認した方が良いですね。ちなみにアロマオイルでは、ヒノキはサイプレス、スギはシダーなど木の精油として人間の気分を良くしたりやすらぎを与えるものだとされています。これも自然素材・天然素材が人間に与えてくれるメリットですね。
無垢フローリングや羽目板を住宅内装に使う事は、アロマテラピーや森林浴効果も期待できることも証明されています。

参考:木と人の科学

 

12-2.無垢は変色する
結構、経年で色が変わります。こちらも経年変化の一つですね。最終的には、どんな木でも白くなりたがります。お寺の山門やウッドデッキなどで見られるシルバーグレー色になりたがります。それまでの経年で変色で、濃くなったり薄くなったりとか…木と人間の生存期間の違いが有ったりするので一概には言えませんが確実に経年で変色します。思っていた色合いと随分違った…と後悔する前に経年変化の色合いを確かめましょう。

基本的にどんな木でも経年の変色で最終的にはシルバーグレーになります。
それまでの行程で色が濃くなったり薄くなったり飴色になったりします。木材の変色については紫外線の影響が強いとされていますが、直接日光が当たらない場所でも変色しますので要注意です。

新品の無垢フローリングのカットサンプルでの色合わせも危険です。ある程度年月が経過した(経年変化)ものを見て検討した方が無難です。
経年変色した色合いが、お施主様がこの先長く付き合う色です。無垢フローリングのカットサンプルを使用して様々な住宅部材の色合わせをした結果、失敗した方を多く見てきました。十二分に注意が必要な場面です。

工事中に日焼けで変色する場合もあるので注意してください。養生シートや養生テープの取扱にも注意しましょう。

ブラックチェリーフローリングの日焼け
ブラックチェリーフローリングの日焼け

ブラックチェリーの日焼けによる変色

メンテナンスを定期的に行う事で経年変化で使えば使うほど味わい深い表情になります。表面には素晴らしい色艶と共に際立つ木目の模様の美しさは本物の無垢材だけが持つ美しさです。

 

13-2.無垢はこたつや電気カーペットなどの暖房機器・暖房器具が使えない
寒い冬は、ストーブ、こたつ、電気ホットカーペット、蓄熱ヒーター、エアコン等暖房機器・暖房器具を使いたいですね。
木材は、空気中の水分を吸収したり放出したりする性質を持っています。木材の細胞壁は水分を吸収すると膨張し、放出すると収縮します。
このため、室内の湿度状況によっては、伸縮も大きくなり、反り・目地の透き・突上げなどがおきる場合があります。
使用できる家電暖房機器・器具・製品と仕様できない家電暖房機器・器具・製品があります。
購入後、使えなかった…と後悔する前に調べましょう。

暖房機器商品によって暖房機器・器具も使えない事はないのですが、無垢フローリングを温めると乾燥によって縮むので注意した方が無難です。
例えば、断熱材入りの和室畳を敷いてこたつを使用している方もいらっしゃいます。銀色の薄い断熱シートでは無く、床下などに入れる本物の断熱材を芯に使用した和室用のスタイロ畳などですね。しっかり断熱すれば無垢フローリングでもこたつは使えそうです。薪ストーブ等の暖房機・器具周辺の輻射熱でも無垢フローリングの収縮が起こりやすいと言われています。

暖房機器や暖房器具を使用される際には、過乾燥を防ぐ為にも加湿器などを用いて加湿する事をお勧めします。高気密高断熱住宅で全館空調のモデルハウスを見学すると観賞魚用の水槽や観葉植物を置いている場合が多くみられます。これは室内の湿度を保ち過乾燥を防ぐ役割が有ると言われています。高気密高断熱住宅の全館空調で自然素材・天然素材を売りにしているハウスメーカーのモデルハウスはぜひ参考にしてみてください。

床暖房にも少し触れておきます。
床暖房は床が直接温かいのでとても快適に過ごせます。よく電気式、ガス式、灯油式、エコキュートなど床暖房システムの熱源の仕様の違いでどの床暖房方式が良く暖まるのか?と考える方がいらっしゃいますが、基本的に床暖房床面の表面温度は29℃以下で使用する事が推奨されています。足元で暖められた空気が対流しますので、効き目の良し悪しで熱源を検討する事はしなくてもよいのでは?と思います。各床暖房システムのランニングコストはよく検討してください。

 

14-2.無垢は水こぼしや食べこぼしが気になる
食べ物を落としたり、こぼしたりしたら気になりますね。
食べこぼしで後悔しそうなら事前に何をこぼしたらどうなってしまうのか?どんな無垢フローリングにこぼしたらどうなるのか?どの様に掃除しなくてはいけないのか?建てる前に調べておきましょう。

キッチンやダイニングなどは、こまめに蜜蝋ワックスを塗布し耐水性を高めましょう。こまめにと言っても半年に1度くらいで十分だと思います。

大量に水分をこぼしても、すぐに拭き上げて掃除すれば心配無用です。あぁ…こぼしちゃった… と言って何もせずに見ているだけだと突き上げなどの不具合が出るかもしれません。

大量に水分をこぼしてそのまま放置すれば、無垢フローリングに限らず、挽き板合板、合板フロア、クッションフロア、カーペット、じゅうたんなどほとんどの床材に悪影響を及ぼすと思って頂いた方が良いと思います。タイルだって目地の部分が気になる人は気になるそうです。

無垢フローリングは、水に濡れると膨らむ特性を持っています。ウレタン塗装を施していない限り枡、桶、木造船などと同じような仕組み、自身が膨らんで蓋をして水分の進入を防ぎます。床下まですぐにビショビショになる様なことは滅多にありません。

リビングでもダイニングでも採用される無垢フローリングの色味でも不潔感、清潔感においては人それぞれだと思います。黒い床板だと塵やパンくずなどは目立つでしょう。逆に明るい床板だと髪の毛などが目立つでしょう。髪の毛に関しては、「私たちは白髪だからね…」なんてお施主様もいらっしゃいました。

その他にも、節が無い床板だと傷や凹みゴミは目立ちますね。逆に節がたくさんある事で傷や凹みやゴミは目立たないので気楽に過ごせることでしょう。

15-2.無垢は塗装が剥がれる
確かに剥がれる塗装もあるので部分的に剥がれるとチープな感じを受けますね。こちらも経年変化の一つですね。
塗装で後悔しそうなら、塗料その物の耐久性も含めて検討しましょう。着色塗装は、歳月を経て悲惨な状況になる場合もあるのでしっかりと工務店や大工さんと相談しましょう。

剥がれるタイプの塗装を施さなければ塗装が剥がれる事はないです。
無垢フローリングの塗装には造膜型と含浸型の塗料が存在します。造膜型塗料の代表はウレタン、含浸型塗料の代表はオイルです。最近では、含浸型液体ガラス塗料なども出てきましたね。

ウレタン塗装は、裸足や素足で歩くと足触り、肌触りがペタペタし心地よくない。同じ樹種でもオイル塗装やワックス、液体ガラス塗料と比べると温もりが感じられません。表面は、まるで合板フロアと同じのような感じがします。ウレタン塗装を施すと、無垢フローリングの特徴である優しさ、温かさ、風合いが失われることになります。

ウレタン塗装が劣化して剥がれるとチープな感じがします。色の濃い木にウレタン塗装は相性が悪いとされています。ウレタン塗装に着く傷は、白い線傷が主です。車好きの方ならお分かりかと思いますが、黒い車は線傷が目立ちます。無垢フローリングでも同じようなことが言えます。

無垢フローリングウレタン塗装剥がれ・ウレタン塗装の劣化
無垢フローリングウレタン塗装剥がれ・ウレタン塗装の劣化

着色塗装は、なるべく避けましょう。
床材は、必ず傷が付く住宅部材です。着色塗装を施したフローリングは、傷が付くと基材の色が表面に現れます。特に、色の薄い樹種に濃い色合いの着色塗装はあまり相性が良いとは言えませんね。

無垢フローリングウレタン塗装剥がれ・ウレタン塗装の劣化
無垢フローリングウレタン塗装剥・ウレタン塗装の劣化

ウレタン塗装は、補修も非常に面倒です。
一旦ウレタン塗装を全て剥がして再塗装する事になります。ドラムサンダーやサンディングマシンでウレタン塗装を剥がしますので作業中はかなりの埃が出てしまいます。
また、ウレタン塗装の再塗布にはかなりの異臭が発生します。住宅におけるウレタン塗装の再塗布や補修はあまり現実的では無く費用的にも新しい床材に貼り換える事が多いように思います。

ウレタン塗装、オイル塗装、ワックス塗装、ガラス塗装など塗装によってお手入れ方法は様々です。
詳しくは「無垢フローリングのお手入れ方法」をご参照ください。

 

16-2.表面にホコリが付着する
確かに表面にホコリが付着する無垢フローリングもあります。フローリングが色合いが黒っぽい色ならホコリが目立ち不潔ですね。
床面の清潔感で後悔しそうなら事前にしっかり調べてましょう。

無垢フローリングにウレタン塗装を施すと無垢フローリング表面に静電気が発生しやすくなります。静電気が発生するとホコリが着きます。これは不潔です。

ホコリはダニのエサになります。ホコリを掃除するのに着塵剤の入ったモップやワイパーなどで拭き掃除をしなくてはいけません。
着塵剤の入ったモップやワイパーは、無塗装やオイル塗装の無垢フローリングに使用するのは避けるべきです。モップやワイパーに染み込んでいた着塵剤は無垢フローリングに染み込みます。染み込んだ着塵剤は、汚れを引き寄せ黒く変色していきます。掃除どころか逆にせっせと床を汚していることにもなりかねません。

無垢フローリングに着塵剤入りのモップを使うと
無垢フローリングに着塵剤入りのモップを使うと
無垢フローリングに着塵剤入りのモップを使うと
無垢フローリングに着塵剤入りのモップを使うと

無塗装、オイル塗装はフローリング表面に静電気が発生しにくいです。窓を開けておくだけでも床面に落ちていおる埃はある程度飛んでいきます。ホウキだけでもとってもきれいに掃除ができます。

キッチン前に合板フロアやウレタン塗装の無垢フローリングを採用したとします。お料理でコンロを使ったら当然のことながら油跳ねなどで油が床に落ちます。そんな状況ではベトベトして汚くて仕方がないと思います。

オイル塗装は、元々オイルを塗布しているのでベトベトしません。油跳ねが乾いた跡を発見したらスコッチブライトなどで簡単に削り落とせます。

気をつけてください。
見た目だけ床面が究極に平滑でピカッ!としているからといって清潔だとは限りません。
壁面も同じです。綺麗に見えるビニールクロス(壁紙)でも静電気でホコリを吸着します。自然素材・天然素材の漆喰や珪藻土は、表面に凹凸が有ったとしてもホコリは吸着しません。木材の羽目板もウレタン塗装しなければホコリは吸着しません。

何が本当に綺麗で清潔なのかよく考えてください。なぜ、最近の合板フロアにダニ抑制物質なるものが入っているのか?
見た目だけでなく五感を働かせてお選びいただければ幸いです。

 

17-2.無垢は思ったより結構冷たい
夏場はサラサラとし、冬場は暖かいはずの無垢フローリングです。
しかし、夏場はペタペタ、冬場は裸足や素足で触れると確かにヒヤッと冷たく感じる無垢フローリングもあります。木材は、タイルやコンクリートに比べて熱伝導が低いと言われています。木材はコンクリートと比べると熱伝導率は10分の1程度です。熱いお味噌汁を木のお椀に注いでも手に持てるぐらいです。温かく感じるはずの無垢フローリングがどうして冷たい?
後悔する前に自身の裸足や素足で踏んで確かめてから採用した方が良いかもしれません。カットサンプルでは物足りないかもしれません。

一般的には表面が柔らかい無垢フローリングの中でもスギやヒノキやパインの針葉樹が裸足や素足で踏んだ際に温かみを感じやすいとされています。しかし、表面にウレタン塗装を施すとそれがそうでもない場合があります。せっかく裸足や素足で触れるはずの自然素材・天然素材もウレタン塗装のおかげで石油化学製品に触っていて温かみを感じることができません。

例えば、軟らかい樹種代表のヒノキフローリングのウレタン塗装品と硬い樹種代表のオークフローリングのオイル塗装品とを実際に裸足や素足で踏んで足触り、肌触りを確かめるとオークフローリングの方が温かみがあるように感じます。

これは、フローリング表面にある小さな空気の穴が空いているか閉じているかで違いが出ます。杉フローリングのウレタン塗装は、空気の穴が閉じられてすぐには暖まりません。ナラフローリングの方は、空気の穴が空いたままなので体温ですぐに暖かくなります。その結果、裸足や素足で踏み比べると杉フローリングよりもナラフローリングの方が温かみがあるという事になります。

自然素材・天然素材の代表格の杉フローリングは、暖かみがあり居心地がいいって聞いたのになぁ・・・?と思った方は塗装が冷たくしている可能性もあります。見た目だけで選ぶと快適に過ごせないかもしれません。せっかくのメリットをデメリットに変えない様に予習しておきましょう。

一般的なフローリング硬さの例
硬い木:楢(広葉樹)、樫(広葉樹)、オーク(広葉樹)、楓(広葉樹)、メープル(広葉樹)、花梨(広葉樹)、カリン(広葉樹)など
軟らかい木:杉(針葉樹)、ヒノキ(針葉樹)、松(針葉樹)、パイン(針葉樹)、椹(針葉樹)、桐(広葉樹)など
樹種ごとの硬さの確認は「木材性質一覧表」でご確認いただけます。

 

18-2.無垢はマンションには採用し難い
それぞれのマンションの管理規約には防音規定(遮音等級LL-45・ΔLL(Ⅱ)-3・ΔLL(Ⅰ)-4)などが定められていることがほとんどです。
一般的に遮音性能を持ち合わせていない無垢フローリングはマンションの床材に採用し難いと言われています。無機質になりがちなマンションの内装を温かみのある部屋に木質化したい。遮音等級LL-45・ΔLL(Ⅱ)-3・ΔLL(Ⅰ)-4を持ち合わせた防音クッション付の無垢フローリングはございます。
知らずに後悔する前に、マンションにも無垢フローリングが使えるかどうか調べておきましょう。

最近はそんなことありません。
無機質になりがちなマンションだからこそ自然素材・天然素材の無垢フローリングを採用して内装木質化を勧めています。直貼り方式でも遮音等級LL45対応の無垢フローリングもございますし、二重床なら床下懐高ささえ注意すれば無垢フローリングも採用できます。

我が家のマンションに無垢フローリングが使えるかどうか?下記チャートでご確認いただければと思います。

マンションに無垢フローリングが使えるのか
マンションに無垢フローリングが使えるのか

冷たく無機質な内装になりがちなマンションに無垢フローリングの利点を生かして、暖かく爽やかな住空間に仕上げましょう。

 

 

以上が憧れの自然素材・天然素材代表格、無垢フローリングのデメリットとメリットです。
どこまでがメリットでどこからがデメリットになるのかまさに表裏一体でなかなか判断しにくいです。
それでもあなたは無垢フローリングを採用されますか?無垢フローリングに決めて後悔されませんか?

一番よくある間違えが無垢フローリングにウレタン塗装を施して傷が着く、ホコリが着く、足跡がついて不潔など、マイホームが完成した後になって気が付き後悔する。それで、無垢フローリングはデメリットが多いと言う方がいらっしゃる。
その理由のどれもが無垢フローリングの採用を決める前にもう少し調べておけば回避できていた内容です。

少し誇張して記事を書いてWeb公開する事でアフィリエイトに役立てよう!そんな内容の記載もあるので要注意だと思います。

戸建てでもマンションでも住まいの中で床材は多数ある住宅インテリア部材のたった一つに過ぎませんが家の中では一番お施主さん家族の肌に接している部分でもあります。ぱぱっと時間を掛けずに大雑把に床材を決めるのも時短で良いかもしれません。素適な家づくりを計画する前に、間取りを検討する前に少しだけ時間を割いてショールーム見学で真剣に床材をお選びいただいても良いかと思います。

 

早速、無垢フローリング 種類 一覧 から選んでみる。

 

無垢フローリング専門店木魂-KODAMA-の
無垢フローリングショールームゆらぎ

無垢フローリングの長所と短所・メリットとデメリット

■無垢フローリングの特徴

■無垢フローリングと挽板フローリングと合板フロアーとの違い

■無垢フローリングの経年変化における短所・デメリット

■無垢フローリングの長所・メリット

■五感を通して、人は繋がる

 

■無垢フローリングの特徴
無垢という言葉は、混ざりけの無いという意味です。
無垢フローリングというのは、合板やMDFなどを使用していない
木材を100%利用した床材ということになります。

■無垢フローリングと挽板フローリングと合板フロアーとの違い
突き板フローリングと挽き板フローリングと無垢フローリングの
それぞれの違いと特徴をご説明いたします。

3種類とも貼ってしまえばどれとも同じ様には見えます。
長年使うにあたりどの様な経年変化が現れるのでしょう。

 
「見た目は同じ?突き板と挽き板と無垢板フローリングの違い」

 

■無垢フローリングの経年変化における短所・デメリット
フローリングの原料となる木材は植物細胞で構成されています。
製品では細胞は生体としての活動はしておりませんが、
細胞の主成分であるセルロース・ヘミセルロース・リグニンや
副生物であるさまざまな化合物(樹脂や色素など)・無機質の
物理化学的性質から室内環境と時間経過に伴う変化が生じます。
短所・デメリットとしては、以下の3つがあげられます。

1.反り・目地の透き・突き上げ
2.割れ
3.色の変化

1.反り・目地の透き・突き上げ
木材(無垢フローリング)は、空気中の水分を
吸収したり放出したりする性質を持っています。
木材を内装に使用すると、この性質により室内の乾湿を緩和する
ことができます。(木材の調湿作用)
木材の細胞壁は水分を吸収すると膨張し、放出すると収縮します。
このため、室内の湿度状況によっては、伸縮も大きくなり、
反り・目地の透き・突上げなどがおきる場合があります。

※突き上げは、適切な施工によって防げる現象です。

2.割れ
フローリングが水分を含み、その後乾燥した環境にさらされると、
一枚の材の内部で異常収縮が発生します。
これにより材に割れ目(クラック)が入る場合があります。
また、日光の直射をはじめとする様々な室内環境要因により、
これと同様の現象が生じる場合があります。

3.色の変化
木材は、時間の経過とともに紫外線などの作用によって
色が変化していきます。
細胞の主成分のうちセルロースとヘミセルロースに色はなく(白色)、
リグニンや副主成分が色を決めています。
このリグニンや副成分は光りや化学反応によって変化するため、
色の経年変化が生じます。
この色の経年変化は様々な室内環境要因により、大きな差が見られ、
使用状況によっては、 リグニン及び副成分の急激な化学変化により
灰白色の「脱色状態」に移行してしまう場合があります。

このように木質フローリングにおいて、上に述べたような経年変化は
自然現象として避けては通れないものであり、
お客様にはその点に十分ご理解頂きますようにお願い申し上げます。

 

■無垢フローリングの長所・メリット
よく言われるメリットとしては
調湿性・快適な肌触り・経年変化・香りなどでしょうか。

調湿性能については、マンション北側のお部屋をリフォームする際に
床は無垢フローリング、壁天井は漆喰、窓枠も無垢材を利用する事で
結露が少なくなったというお話も聞いたことがあります。
それほど無垢フローリングや漆喰などの自然素材は
人間にとって優しい空間を作り出してくれるのでしょう。

無垢フローリングの短所やデメリットはそのほとんどが
見た目に影響してくるものが多いです。
長所やメリットとしては人が五感で感じるものが多く
すぐに目の当りにするものではございません。

株式会社五感では、人間本来が持つ五感に訴えることにより、
より良い住空間を造り出そうと思い構想してきました。

五感と言えば視・聴・嗅・味・触の五つの感覚のことです。

人間にとって五感は生きていくうえで
無くてはならない感覚でとっても重要なものです。

自然素材である木材・無垢フローリングや漆喰などには
五感を満足させてくれる要素がたくさん含まれていると思います。

無垢フローリングが五感に及ぼす影響は5つあげられます。
1、視覚:無垢フローリングの表面には無数の凸凹があり、
 光の反射が目にやさしく映ります。

2、聴覚:木は高音・中音・低音をバランス良く吸収して
 程よい残響音を残してくれます。

3、臭覚:木の発散する香りは睡眠時のα波を増加して、
 疲労回復やストレスの緩和などのリフレッシュ効果を促進します。

4、触覚:一般に使われているフロアー材は触れた瞬間にヒャッとします。

5、味覚:おいしい食事は良い雰囲気造りから…

1、視覚:無垢フローリングの表面には無数の凸凹があり、
 光の反射が目にやさしく映ります。
ビニールクロスは光をまともに反射させ眩しい事もありますが、
無垢のフローリングや漆喰などは光を乱反射させることで
目に優しい光にし部屋の印象も良くなると実証されています。
また、無垢フローリングは経年変色で色艶が良くなるとも言われます。
経年での変色は、家具や楽器などでは、「経年美」とも言われます。
欧米でも時間を掛けて経年美を楽しむ習慣が古くからあります。
十数年ちょっとで貼り換える合板フロアーよりも
数十年かけて経年美を楽しんでみるのもいかがでしょうか?
更には、無垢フローリングは同じ樹種でも絶対に同じ木目は存在せず
必ずあなただけのオンリーワンの木目になります。
一見、不揃いな木目や色合いも古来から木と共に生活してきた
人間だからこそ落ち着きあるオンリーワンのインテリアに
なり得るのかも知れません。


ヒノキ              イタヤカエデ

2、聴覚:木は高音・中音・低音をバランス良く吸収して
 程よい残響音を残してくれます。
楽器に多く木が使われている理由の一つになります。
石井式リスニングルームのフローリングや壁材の木材の比重に
拘られる方もこの事からだと思います。
硬くて高比重の木材をお探しの方は木材性質一覧表をご利用ください。

  

3、臭覚:木の発散する香りは睡眠時のα波を増加して、
 疲労回復やストレスの緩和などのリフレッシュ効果を促進します。
無垢フローリングには、それぞれに発散する香りがあります。
その香りは、フィトンチッドといわれアロマテラピーの
精油などにも活用されています。
フィトンチッドとは、
緑にあふれた森林のなかに入って行くと爽やかな空気が広がります。
そしてしばらく歩いているとかすかな香りに気かつきます。
このいわゆる森林の香りの正体がフィトンチッドです。
これは森林の植物、主に樹木か作りだして発散する揮発性物質で、
主な成分はテルペン類です。
そして揮散している状態のテルペン類を
人間か浴びることを森林浴と言います。
森林浴もずいぶんと私たちの生活の中に定着してきたようです。
フィトンチッドはまさしく森林の精気です。

また、最近では無垢材を内装に用いた建物での夜間睡眠実験でも、
深い眠りが長く、浅い眠りが短くなり睡眠の質が
高いことが実証されています。

4、触覚:一般に使われているフロアー材は触れた瞬間にヒャッとします。
木材は、急激な温度変化から守ってくれます。
お鍋の柄の部分には木材が使用されることが多いですよね。
お鍋の中が沸騰しているにも拘らず柄は触ることが可能です。
これは木の柄が熱を伝えにくいからですね。
合板フロアーは、表面に造膜型の塗装が施され空気層が無く
ペタペタして冷たく感じます。
無垢フローリングは、表面にたくさん空気層を持っているため、
このヒャッとした感じはしません。
無垢フローリングは、使い込む程に表面は滑らかになり
足裏に馴染むような感覚が増してくるはずです。

5、味覚:おいしい食事は良い雰囲気造りから…
無垢材を内装に用いた建物は、
作業効率を高め疲労を回復する効果を持つ可能性を示唆されています。
マイナスイオンで満たされた気持ちの良い空間で食事をされたら、
きっと美味しくいただけると思います。

 

 

五感を通して、人は繋がる

 

そもそも五感とは

視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚を合わせて、五感という。
人間には感覚が五つあり、この五感が感覚のすべてである。
どのような認知、認識も、この五感のどれかを経なければ伝わらない。
話し言葉は聴覚から入り、書き言葉は視覚から入る。
その後に言葉として認識対象となるのである。

茶碗を見る。茶碗はまず視覚で見る。
茶碗を取り込む。茶碗の釉肌や、重さ、手取りは触覚で認識する。
傾けて茶を喫する。味覚と嗅覚に茶の味と香りが捉えられる。
茶碗の手取りが軽いか重いかはこのときの茶の味わいに微妙だが
確かな影響を与える。吸い口を指で拭うとき、
紬肌がとくに印象強く残り、後味の一部となる。

茶の味わいが、茶液の味覚と嗅覚だけで成り立つのなら、
ホーロー食器で喫しても同じ味だということになろう。
フランス料理の味が、食べ物の味覚と嗅覚と触覚(食感)だけで
成り立つならプラスティックの食器、怒声飛び交う室内で食しても
同じ味だということになろう。
喫する物、食する物に応じた器や場所、静寂を選ぶのは、
人間の旧い既知の営みである。

茶事はその究極の姿である。
茶事をしばしば「御茶一服」という。茶事の中核は、濃茶である。
一碗の濃茶を喫する心境を作るために、懐石を調え、
茶事という空間を調える。
露地・茶室の風情、床荘り、炭手前、懐石、中立などの周辺要素は、
その一期一会に向けて調和されるのである。

 

住まいにも五感の調和を取り入れてみたいものです。