オイルとワックスの違いについて

剣道場床のメンテナンスをする際に気をつけた方がいい事があります。
剣道場床について頻繁にお問合せ頂く内容に「剣道場床の滑りを少しでも解消したい」というものがございます。
ご相談いただくほとんどの剣道場が集成材を用いた床になります。
材木業界の人たちには当たり前のことだとお思いになるかもしれませんが集成材を用いた床材の上で素足で剣道の稽古をするのですから滑って当前です。(ここで言う集成材を用いた床材は、通常私たちが推奨している無垢材とは異なります)

集成材を用いた床材のほとんどが表面にサンディング加工が施されています。サンディング加工を単純に言うと紙ヤスリを施した状態です。目には見え難いかもしれませんが、たくさんの毛羽立ちがある状態です。このサンディング加工というものは、
そもそも塗装の下地処理であり「仕上げ」ではないのです。本来のサンディング加工の目的は、この毛羽立ちに塗料を絡めて何らかの「塗装仕上げ」にしていくのです。このサンディング加工のみの床で剣道の稽古をするということは極端な言い方をすればウレタン塗装を施している
体育館の床に砂をまいて稽古しているような状況です。確かに剣道の基本に“摺り足”があるのである程度の滑りは必要だと思いますが滑り過ぎるのにも問題があります。

ではなぜ、サンディング加工のみの集成材を用いた剣道場の床がこんなに多いのか?
いくつか要因は考えられますが
・摺り足には「無塗装」が行いやすいとキーワードだけが広まってしまったこと
・集成材は木目方向がバラバラになるために「カンナ仕上げ」は不可能に近いこと
・有名な道場が集成材を採用していること
・集材や施工が安易であること
・そもそもサンディング加工の意味がわからない
などが理由として挙げることができますが、、、
結局は勉強不足で業者の言いなりなったと言うのが一番大きな原因です。そしていざ稽古をしてみると滑り過ぎてしまう!どうしよう?となることが多いのです。こうなった時に何か塗装すれば良いのでは?と考えるのです。
で、よく学校など使用する床用ワックスなどを頭に浮かべるのですがこれまた困ったことになってしまうのです。
ワックス=蝋(ろう) です。
分かりますよね。
滑ると困っている剣道場床に蝋を塗ったらどうなるか?
はい。 滑ります。(一般家庭とは使用目的が違います。)
身近なところでは本皮製品バックやソファーなどでも同じようなことが見られますが入れしないと硬くて白くなりぱさぱさになってしまいます。
オイルで手入れをしてあげると本来の艶やかな表情がよみがえってきます。触っていても気持ちがよく手肌にピタッとした感触が出てきます。
剣道人にもっとも近い感触が得られるのは、小手の手の内や竹刀の束革だったりします。
自身の道具には結構目が行き届きますが、道場床となれば少し違うようです。
本皮製品のバックも小手の手の内も合成品はこれとは異なります。
本物に限ってのお話です。
むっちゃ前置きが長かったけれども、オイルとワックスの違いは簡単に言うと
オイルは表面のザラツキを押さえる
ワックスは防水・防汚効果をあげる
となり目的が異なります。
ザラザラしているほうがなんとなく足に食いつきそうな気もしますよね。
でも実際はウレタン塗装のように造膜型塗料を使用した真っ平らの床面の方が食いつきが良かったりします。
要するに床面は平滑なほど素足の足裏はピタッとくっついてくれるのです。
だったらどんな床が剣道場に適しているのか・・・
なんとなく分かってはいるのですが、次回日本で開催される世界選手権までにはある程度まとめて世界中の剣士に発信できればと思います。
しつこいようですが、ここで言う集成材を用いた床材は、通常私たちが推奨している無垢材とは異なりますのでその点はご注意ください。

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