安全で安心な道場が求められる理由・その1

1.現場の実態
教育や修行の場は、安全でありたいものです。
ところが、学校や警察の道場、公共施設の剣道場、個人の道場の床に、
危険が潜んでいることを知る人はほとんどいません。
現在、中学、高校、大学などで剣道を学んでいる生徒の約半数は
足に何らかの故障を持っています。
また、各道場でも剣道の影響で下半身に故障を持つ人は多いものです。
下半身の故障例として以下のものが挙げられます。
足指の付け根が裂ける。かかとが痛む。足のまめができる。ひざが痛む。
アキレス腱を切る。肉離れを起す。腰痛に悩むなど。
この様な故障は、道場の床の仕様に大きな原因があります。
そのほかには、転倒事故、肩こり、頭痛なども床の仕様に一因があると考えられます。
2.障害の原因
どのような原因で障害が起きるのでしょう。ここでは床構造に注目してみましょう。
聞いたところによると、高校のバスケット部員は4~5ヶ月に一足の割合で
シューズをダメにして履き替えるそうです。
それほど体育館のウレタン塗装床の抵抗は激しいと言う事です。
素足で稽古をする武道にとって、ウレタン塗装床の抵抗負荷は計り知れない物があります。
靴を履くスポーツと同じような現在の道場床の作り方は、
武道にとっても決して良い環境だとはいえません。
以下に、現在の武道場における剣道の怪我の実態と原因についてまとめてみましたので、道場整備の参考にしていただけたら幸いです。
Ⅰ.足指の付け根が裂ける。足にまめができる。アキレス腱を切断する。
肉離れが起きる。腰痛が起きる。
これは、床の表面がブレーキになって、足裏の皮膚や足の筋肉、腰などに大きな負荷を与えることに一因があります。その大きな負荷は、床板表面の塗装膜に有ります。
無垢の杉板を使った無塗装の床は、足にストレスを与えません。
また、表面のウレタン塗装膜は気温が上がるほど摩擦力が増します。
以前、学校の道場で150人の講習会を実施した時のことです。
冬場は約80人の人が足裏に以上を感じていたのですが、夏場は全員が感じました
対処法としては足袋を履きましたが、塗装面が温度の上昇で塗膜が柔らかくなり
足に負担を掛けた事がわかります。
昔の道場では、足裏にまめができる事はほとんど無かったと言われています。
それは、無垢材の床板の油成分が、自然の潤滑油となっていたからです。
ところが今は、技術の進歩により広葉樹の床材が普及しています。
広葉樹の床材には、針葉樹の床材と比べて油性分が少なく、水分を吸収すると変形する恐れがあることから、表面保護と艶出し効果の為にウレタン塗装加工が欠かせません。
塗料は、転倒を防ぐ為の滑り止め効果も兼ねて摩擦力を持っています。
ウレタン塗装した床は、シューズを履いて運動するのに適した状態と言えます。
広葉樹の床板は素足で稽古をする武道には不向きだと言う事になります。
<床塗装の問題>
よく昔からある和風の塗料は床にどうかと言う質問を受けます。
塗料というのは、どのような塗料でも床板の表面を保護する役目を持ちます。
床板の保護とは、皮膜を作って表面を強化する事です。
さて、表面が強化すると同情ではどのようなことが起こるのでしょう。
武道は素足で稽古を行います。
強化された床と素足の関係、反対に軟らかいままの床と素足の関係。
床板が強化されると素足の負担が増していくのです。その結果、怪我が増えてきます。
道場を主体に考えると、だれでも床板が長持ちすることを願います。
しかし、本末転倒とはこのことです。道場の床は磨耗が激しいほど足に優しいのです。
この様な発想は今までありませんでした。
長持ちする床板、それは道場には最悪の代物だったのです。
床を守ってはいけません。
道場には、足を守る床を作らなくてはいけないのです。
表面硬度が軟らかい杉材は最適な床材だと言えます。

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