木の特徴(無垢材・木材・材木)のいろいろ

木の特徴(無垢材・木材・材木)のいろいろ


1.安い
1. 体積あたりの価格
一般には木は高いと思われていますが、木材と他の素材と体積
あたりの価格をくらべて みてください。
高級建売住宅の構造用柱材の米とがの値段は食べる虎屋の
羊羮(ようかん)の二千分の一です。
2. 価格変動
また杉の足場丸太は戦後と価格はほとんど変わっていません。
3. 住宅の木材費用
また、高級分譲住宅にて5000万円で販売されている住宅の
木材費用は 約150万円ぐらいです。
2.加工がしやすい
もっとも木材の大きな特徴のひとつがこの加工性がすぐれているという ことです。
ウッドクラフトブームがあったときに、いろいろな人がウッドクラフトを作り出しました。
デザイナーや設計関係の人がプロのクラフト作家になったのですが、なぜ木の
作家になったのかを調べたことがあります。なぜなら素材としては木材以外にも
陶器、鉄、紙、などさまざまなものがあったからです。
作家の方の答えは、何か表現したかつた時に、たやすく手に入れることが出来、
加工が簡単だったから、ということでした。
表面を削ることも、長いものを2つに切ることも、他の素材にくらべたら簡単ですね。
また素材自体を作ることも陶器のように時間がかかりません。
またつくりやすいという事はつぶしやすいということでもあります。たとえば、あって
はならない事ですが、チェンソー一台あれば一千年以上も存続している法隆寺を
1日でつぶすことができてしまいます。
3.強度  
1. 経年変化と比強度
法隆寺の五重の塔がなぜいままで崩壊せずに持ちこたえられたのか。
ひとつの理由に強度があげられる。 木材の種類によりますが一般に
針葉樹は伐採してから数十年から数百年 までの間、強度が増加する。
檜は伐採後600年ぐらいが強度的に 最強であとは徐々に弱くなり
1200年ぐらいで、伐採時の強度となる。 通常の素材、
物質では出来たときが一番強いが、あとは弱くなる一方 だが、
木材の場合は神秘としかいいようがない。
ひのき のまめ知識2
図参照 (木材の強さの経年変化1、2)   
2. 重さ当たりの強度 
第一次世界対戦の飛行機は、その当時最強の材料として木材を使った、
第二次世界対戦でも英国の名戦闘爆撃機モスキートはオール木造で
した。また世界最大の飛行機も木造でした。
その後ジュラルミン、チタンが開発された。つまりジュラ ルミン、チタンが
開発されるまでの重さあたりの強度は木材が一番であったということです。
4.軽い
強度で述べた通りだが、「重さあたり」のこの重さが重要なのです。 したがって、
重さを気にする乗り物や建物には木材が見直されてきています。 屋上庭園の
デッキ、屋上水槽などはどれも最近の商品です。21世紀は きっと宇宙船に
木材が多用されると思います。
第二次世界大戦のイギリスではモスキトーという有名な戦闘爆撃機があり
オール木造で作られていました。木造で軽いため爆撃機としては
異例の高速度で当初ドイツ戦闘機は追いつけなかったとの話は有名です。
またあまり知られてしませんが、世界最大の飛行機は木造だったのです。
あの有名なハワードヒューズが全財産をかけて製作したヒューズH-4飛行艇です。
長さ67メーター幅98メーター、8発エンジン。
この飛行機はアメリカのロングビーチのドームの中で最近まで存在し観光コースに
なっていました。木の情報発信基地のお客様の増井清彦さんが97年 この飛行艇
に興味があって、お仕事でロングビーチに行った時、見学にいかれたのですが、
すでに撤去されていたそうです。聞くところによると保存費用がかさみ、
ディズニーに売却されたとの未確認の情報を受けました
5.視覚   
1. 紫外線を吸収、赤外線を反射
オゾン層の破壊で紫外線が増大しています。海外ではサングラスが
白内障予防のため必須。ニュージランド等の学校では戸外に出る
時間制限をしています。また日本でも紫外線の影響で蛙等が減少
してきています。木は人間に有害な波長の短い紫外線を吸収し、
波長の長い赤外線を反射します。野外のデッキ等の木造施設は
その点からも有用です。
2. 自然な木目のため目にやさしい。
例えば木材の板面10センチ平方だけを見ると、といろいろな模様や
色がまざっています、また導管などの凸凹のため、色の反射率等 が
同じ10センチ平方の中でも様々に 変わり変化をもたらします。
これを自然な色とか肌合とか言うのです。もし人工 的な素材であれば
均一の色、反射をするでしょう。
6.断熱
フライパンの柄に木材が巻かれていなければ火傷してしまいますよね。
味噌汁を入れるお椀はせとものではないですね。これも同じ原理です。
また製鉄所では焼けたコークスを取り除くのに木材が使われています。
アルミサッシが結露し木製サッシが結露しないのは有名です。  
また南極の昭和基地は木質プレハブつくりなのです。
7.衝撃
カーペットのようにふわふわして歩きにくいというわけでもなく、コンクリートの
ように歩くと足に響くでもなく、調度いいのが木材です。最近に施工された体育館
はほとんど木質の床を使用しているのもこのことか らです。
制作者の会社ではウッドデッキとかボードウォークの企画、設計、施工をする会社
ですが、大阪での国際花と緑の博覧会、和歌山のリゾート博覧会などで、木の
デッキを施工しましたが、来場するお客様の話しを聞いていると、「やはり歩くのは
デッキの上がいいね」と言われています。これは適度なクツションがあるからです。
ウッドデッキやボードウォークのいい見本としてはUSJ(ユニバーサルスタジオ)で
数多く見ることができます。私たちの会社で同テーマパークのほとんどのデッキを
施工しました。ロンバースデッキは迫力があります。ここではアメリカのサザンイエ
ローパインという木を使いました。
8.すべり、触覚
適度なすべりと摩擦感があります。またさわった感触は木のもつ温度
などによってどの素材より人間になじみます。  
前の7のウッドデッキにもこの特性が生かされています。
9.音響
1. 吸収
適度な音の吸収と反響があるため、コンサートホールなどに利用されます。
図のように木造のホールが理想の音響効果を示しています。
2. 振動
楽器に用いられる事を考えればよく分かると思います。バイオリン等に使用
される材料は、現在でも木材に変わるよい材料は現われていません。
10.殺菌作用
1. 抗菌、殺菌作用
カーぺットから木質フロアーやフローリングに変えてダニが減るという
事実があります。また、昔からその木の種類によって、様々なことに抗菌、
殺菌作用が働いていることが確かめられています。また、先の逆作用で
神経をなごませる菌や、心を落ち着かせるもの、またフィットンチットで
有名になった森林浴もこの作用です。
2. 神経安定性
先の逆作用で神経をなごませる菌や、心を落ち着かせるもの、またフィットン
チットで有名になった森林浴もこの作用です。
11.適度な温度
木材は熱伝動率が低いため自身が持っている温度からあまり変化しません。
そして自身が持っている固有の温度が人間の持つ温度域と同じため人に
とって 調度いい温度になるのです。
これは動物と植物という違いがありますが、鉱物 などより近いものでその
分子構成が比較的似ているためと思われます。
最近流行しているウッドデッキなどはいくら性能のよいプラスチックや人工
木材で作っても、木材にかなわないのはこの点が優れているからです。
12.腐る/腐らない
つい最近まで腐ることがいけない事のように言われて来ましたが、地球環境
が叫ばれる現在、腐らないビニール、腐らないプラスチック、その他素材が
どれだけ環境汚染をしているか分かってきました。木材はまったく無公害で、
利用用途が済んだ後、風化、腐れ、焼却などどんな方法であれ、構成物質
は自然界にもどります。長い目でみたリサイクル物質です。
13.燃える/燃えない   
1. 燃える
先に記載したように、他の素材にくらべ木材は燃えることが地球環境に
とってよい事になっています。   
2. 燃えない
ある一定の大きさ(断面)があれば木材は非常に燃えにくいのです。
火がついても表面数㌢だけ炭化してそこから先には進展しません。
海外ヨーロッパ、アメリカ等は大規模建築物に木造の構造体が多
いのは火事の 場合に木が燃えにくい事を考えて使用されています。
3. 熱強度
鉄やアルミは確かに燃えませんが、すぐに強度がなくなりねじ曲がります。
もし大型ホールが火事になった場合、鉄の構造体と木材の構造体では
木材施設 のほうが人々に逃げる時間をあたえてくれます。
4. 有害煙
他の素材にくらべ発煙量は非常にすくない。
14.住特性 
コンクリートやプラスチックと木材では、マウス実験でもあきらかなよう
に木材利用のものが圧倒的に高い生存率です。情緒、感性だけではなく、
総合的な特性があるからこそ、マウス実験でも木材がよいということに
なったわけです。
今話題になつている健康住宅はこのような木材の総合的な特徴を生かした
ものです。
15.感性
情緒感ともいえますが、いろいろな素材の中で自分の身の回りに利用したい
ものと言えばやはり木材になります。
たとえば、住宅の庭や人が多く集まる場所でコンクリート製囲いよりも木製の
囲いのほうが理屈ぬきにいいと感じます。木材だけが感性豊かな素材と
いうわけではないですが、自然素材であれば人のり感性に合うと思われます。
自然素材の中で建築物やインテリアなどで利用しやすいものとなれば木材が
一番ということになります。
16.環境負荷  
1. 製造時の消費エネルギー
私達が生活や社会活動しているのにどうしても必要な物資や素材はほとんど工場
などで製造されていますが、製造するときにどのくらいのエネルギーがかかるの
で しょうか?石油や電気また原子炉によって製造されていますが、これらのエ
ネルギー が少なければ少ないほど環境負荷が少ないと言われています。
2. 製造時の炭素排出量
材料は石油や電気また原子炉などのエネルギーを消費して製造されるわけですが
その時にエネルギー変換によって排出されるのが炭素です。石油や電気等を多く
使うとそれだけ多く炭素が排出されます。木材は一般の素材の中で一番製造事の
炭素排出量が少なくアルミニュウムなどの千分の一です。
17.資源枯渇
鉱石、石油、石炭があと数十年から数百年で枯渇するなか木材は適切な計画を
行なえば永遠に続く資源です。
18.総合特性
おのおの各特性の長所を記載しましたが、その長所は逆の面から
見れば短所となります。しかし全体に総合的にみれば長短あわせ
総合的な性質は地球上で私達の手に入る中で一番すばらしい素材
であることがわかります。

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