針葉樹 カラマツ(マツ科)

落葉松とも書かれるように、日本産の針葉樹のなかでは唯一の落葉樹です。
信州や北海道の景色として忘れられないものの一つでしょう。

大都市に住む人々は、この木の名前や樹形は記憶にあっても、木材というと「どんな?」と首をかしげる人が多いのではないでしょうか。
信州では古くからカラマツを建築用材に使っているので、注意すればカラマツを柱に使っているのが見られます。

しかしスギ、ヒノキが得やすい地域ではなじみがないことと、木材が加工しにくい等の理由であまり利用されていません。
分布は、信州を中心とする本州中部に限られており、海抜1,000m前後の温帯上部から亜寒帯にかけて見られます。

しかし、ほかに適当な造林樹種がない北海道や東北、関東北部などの寒い地方では重要な造林樹種で、スギ、ヒノキに次ぐ面積があります。
心材の色は褐色ないし赤褐色で、白色の辺材と対照的です。 早材から晩材への移行が急で、色の違いが大きく、年輪は明瞭です。

木の形はどちらかというと女性的ですが、日本産の針葉樹材のなかでは重硬で、平均気乾比重は0.50です。
カラマツの髄しゅうへんでは繊維が傾斜しているので、乾燥によってねじれます。

ある程度の樹齢に達すれば繊維の傾斜はゼロとなり建築その他に使えます。
またカラマツが好まれなかった理由のつに、ヤニがあげられ、そのため建築材としては表面に出るような所には使わず、土台、棟木、母屋角などか、坑木や矢板などの土木用材、ダン ネージなどに使われ、野莱箱、杭などにも使われてきました。

最近はヤニ処埋技術が進んできて用途も広がっています。カラマツは通常の構造用集成材だけでなく、スギとの異樹種集成材があって、
最外層にカラマツを使った合理的な利用法です ダフリ力力ラマツ (マツ科) シベリアカラマツ、グイマツとも呼ばれます。

ロシアのシベリア、サハリン、沿海州、千島などに分布しています。
北海道で小規模ながら造林が試みられたことがあります。 日本に輸入されているダフリカカラマツは、天然生で、年輪の幅が非常にせまく、人工造林の日本カラマツを見馴れた眼でみると、同類の木材とはみえません。

心材の色は日本のカラマツとは違って、やや、黄色を帯びた褐色なので、両者を区別することができます。
辺材は淡黄白色です。気乾比重は0.52~0.68(平均値)~0.91で、人工造林の日本のカラマツより比重は高く、重硬です。
また保存性は中庸です。 樹脂道(軸方向細胞間道)があり、製品の材面に"ヤニ"が滲み出てきます。

また、日本のカラマツに比較して、ヤニ壷、入皮、もめなどの欠点が多く出てきます。

これらの欠点は生育環境が厳しいために発生するのでしょう。これらの欠点のためか、あるいは、年輪幅が極端にせまいことが多いためか、
木材が脆くなっていて、使用中に破損する例を聞きます。カラマツを用いる地域では、その代替としてよく用いられます。

人工造林のカラマツに比較すると、比重が高いにもかかわらず、狂いは少ないとされており、その点が好まれて用いられるのでしょう。
しかし、上述したような種々の欠点があり、利用上では短所となっています。 建築、土台、仮設、土木など材面の美しさを必要としない用途が主です。

カラマツ・マツ科カラマツ属について

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