針葉樹 ベイマツ ダグラスファー オレゴンパイン (マツ科)

北米から木材が大量に輸入されるようになり、貿易問題等でマスコミにたびたび取り上げられるようになったため、
一般には米材が輸入されるようになったのは最近のことと思われがちですが、米材輸入は明治時代に始まっています。

ベイマツが輸入され始めたころは、オレゴンパインとかメリケンマツと呼ばれており、ベイマツという呼び方が定着したのは大正時代からです。
ベイマツというとアカマツを連想したり、ダグラスファーという現地名を聞くとモミかと思ったりしますが、マツ属でもモミ属でもなく、トガサワラ(四国などごく一部の地域にだけ分布しています)と同じトガサワラ属の木です。

カナダのブリティッシュコロンビア州から太平洋岸沿いに、南はメキシコまで、さらにロッキー山系にも広く分布しています。
心材は赤色または黄色を帯び、辺材は白色です。早材から晩材への移行は急で、カラマツと似ていて年輪も明瞭です。

肌目は粗く、材は重硬で平均気乾比重は0.55です。 大きい材が得られることと強度があることから、アメリカ西部でも構造材としての利用が盛んで、
日本でも長い梁として使われています。このような利用は今に始まったことではなく、関東大震災の復興のためにベイマツが大量に輸入され、住宅建築に使われました。
古い家屋の梁などにベイマツを見つけることができます。現在も建築中の住宅で、赤みがかった大きな梁が使われているのを見る場合、これは大抵がベイマツで、日本の住宅には欠かせないものになってしまっています。

そのほか土木、車両、建具、家具、船舶など広い用途があります。米国では合板用材として使われ、住宅の壁に大量に使われています。
日本にも製品が輸入されています。また、一次林の大径材は年輪幅が極端に狭く、ピーラと称して高く取引されています。

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