広葉樹(こうようじゅ)カキ(カキ科)

カキの類は、果実でよく知られていますが、木材に出会うのはずっと機会が少ないでしょう。よく似ているものにヤマガキ(var.sylvestris)があります。この他、この属にはマメガキ、シナノガキ、トキワガキなどがあります。分布は本州中部、南部、四国、九州、伊豆七島などで、朝鮮半島、中国などに分布しています。マメガキは中国から渡来したものとされ、シナノガキは関東地方南部以西、四国、九州、沖縄、台湾、朝鮮半島南部、中国、トキワガキは本州の東海から山陽地方、四国、九州、沖縄、台湾、中国に分布しています。

木材
辺材と心材の色の差はあまりはっきりしていません。淡色で橙色を帯びていますが、ときどき黒い条が不規則に出てくることがあり、それが著しいときには、木材の色が黒に近くなります。黒い心材の出ることはあまり多くありませんが、それをもったものを黒柿と呼んで、装飾目的の用途に使い、価格も高くなります。リップルマークがあるので、簡単に他から区別できます。気乾比重は0.60~0.85で、やや重硬です。

用途
床柱、内部装飾などの建築材として、また、寄木、象眼、 家具、彫刻などに珍重されます。アメリカ産のパーシモンは同属で、ゴルフのクラブヘッドに使われていたことでよく知られていますが、日本のカキもクラブヘッドとして使われていました。塗布用の柿渋はカキの類の未熟な果実をつき砕き、その搾った液を半年放置しておいたものです。

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